アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、マイアミGPでF1初優勝を遂げたマクラーレンのランド・ノリスを「勝利に値する」と賞賛した。
ノリスはレース序盤こそレッドブルのマックス・フェルスタッペンをはじめトップ集団を追いかける立場だったものの、レース中盤のセーフティカー出動にステイアウト戦略がハマり、首位に浮上した。
■ランド・ノリスF1初優勝「これまでたくさんミスを犯してきたのに……」信頼し続けてくれたマクラーレンに感謝
セーフティカー明けはフェルスタッペンに迫られるシーンもあったものの、ノリスは首位をキープしてレース終盤までハイペースで周回。最終的に2位フェルスタッペンに対して7.6秒のギャップを築いてトップチェッカーを受けた。
次期世界チャンピオン候補のひとりと謳われるノリス。2019年にマクラーレンでF1デビューを果たしてから苦節6年目、F1参戦110戦目にしてようやく表彰台の頂点に上り詰め、史上114人目となるF1ウィナーとして歴史に名を刻んだ。
パルクフェルメにグランプリウィナーとして帰ってきたノリスは、フェルスタッペンをはじめ多くのドライバーから祝福を受けた。マクラーレンの大先輩であるアロンソもそのひとりだ。
アロンソはマクラーレン在籍中に、当時チームのテスト兼リザーブドライバーだったノリスと共に、2018年デイトナ24時間レースのLMP2クラスにユナイテッド・オートスポーツから参戦。お互いにモナコ在住ということもあり、親交も深い。
「ランドはよくやった。多くの表彰台を獲得しての初優勝……彼がこの日のことを忘れないでいてくれることを願っている」とアロンソはノリスを賞賛した。
「(今後ノリスが成し遂げるであろう)多くの勝利のうちの最初の勝利だ。どうなるか見てみよう」
そしてアロンソは次のように続ける。
「彼はいい子だし、いいヤツだ。そしてとても才能のあるドライバーだ」
「僕は彼をよく知っている。2019年のデイトナ24時間レースでは一緒に走った(編注:正確には2018年。2019年は小林可夢偉らとキャデラックで総合優勝)」
「僕がマクラーレンにいた時、彼はテストドライバーとしてチームに加入した。僕らはふたりともモナコに住んでいて、時々街中で会ったり、一緒に移動したりもする」
「彼は多くの表彰台を獲得してきたから、この勝利に値すると思う。さっきも言った通り、次戦に集中することになるから、彼がこの日を楽しんでくれるといいね。でもそうだね、彼にとってもマクラーレンにとっても、とても嬉しいよ」
今回のノリスの勝利は、セーフティカー出動の幸運はあったものの、レースペースでレッドブルのフェルスタッペンを打ち破ってのモノ。今回マクラーレンはノリスのMCL38に多くのアップデートを投入しており、アロンソとしてもマクラーレンの動向を注視していきたいという。
「彼らは接近していたね。(マクラーレンは)中国でも2番目に速かったと思う。特にスプリント予選でもとても速かった」とアロンソは言う。
「ここで彼らは多くのアップデートを持ち込んだ。ここからチャンピオンシップで何が起こるのか見てみよう」
一方アロンソはマイアミGPで15番グリッドから9位入賞。ほとんどのドライバーがスタートでミディアムタイヤを選択する中ハードタイヤをチョイスし、セーフティカー出動の利を活かしてポジションを上げた。
アロンソは、レース後半にミディアムタイヤを履いたことでタイヤコンパウンド面でもアドバンテージを得た。元チームメイトであるアルピーヌのエステバン・オコンと激しいバトルを繰り広げた末、9位でチェッカーを受けた。
「今回のセーフティカーは僕らのレースを助けてくれた」とアロンソは振り返る。
「ハードでスタートして、もう少し遅めにピットストップをしようと考えていたかもしれないけど、あの周にセーフティカーが出たから、僕らはそのチャンスを活かしたんだ」
「そしてセーフティカーが隊列を全てまとめ、僕らはミディアムで、他のドライバーはハードを履いた。だから僕らには少しアドバンテージがあったんだ」
「全体的に見れば、作戦とセーフティカーはラッキーだった。予選と比べてレースの方が少し良かった。でもラップタイムやペースはまだ改善する必要があるね」
オコンはアロンソに次ぐ10位でチェッカーを受け、開幕から苦戦が続くアルピーヌに今季初ポイントをもたらした。
アロンソはそんな元同僚も賞賛。激しいバトルも楽しめたと語った。
「良いバトルだったよ。エステバンも非常にハードに戦った。彼はいつもレーサーだし、常にリスペクトしている。今回の彼とのバトルは本当に楽しかった」
「これがアルピーヌにとっては初ポイントで、僕も嬉しいよ。エステバンは本当にいい走りでポイントを獲得したと思う。よくやったね」
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